広まちづくり新聞(ウェブ版)

2017年5月19日(金) 広まちづくり推進協議会(随時発行)

広の元気人を紹介

広の元気人「呉掃除に学ぶ会  代表世話人  佐々木 一幸さん」

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学校のトイレ掃除を通して、今の子どもたちが社会に出ていくまでに、足りないものを身につける。
そんなきっかけをつくっているのが「呉掃除に学ぶ会」の活動です。
その代表を務めるのが、生まれも育ちも、仕事場も終の棲家も「広」という生粋の広人、佐々木一幸さんです。

今回は、11月18日(日)に呉市立白岳中学校(吉原茂校長)で行われた、第120回呉掃除に学ぶ会に同行しました。
生徒たちがトイレを見違えるようにピカピカにし、生徒たちのトイレ掃除に向かう気持ちが変わっていく様子をつぶさに見させていただきました。

sasaki kazuyuki
-この会の立ち上げはどのようにされたのですか
佐々木さん 「呉を元気にする会」「呉市倫理法人会」のメンバーが中心となって8年ぐらい前に立ち上げたのがこの活動です。立ち上げ当時のメンバーの中で私は若い方でしたが、掃除用具の保管スペースや車で運搬できる機動力を買われてか、その後、いつの間にか会長になっていました。

-結成当時のメンバーは今も続けていらっしゃるのですか
佐々木さん こうやって活動をしていくと、だんだんと自分の夢というものが出てきて、活動が広がってくるんですね。そうすると、この会を卒業して自分自身で何かやってみたいという風になるんですよ。
この「掃除」というのは、基本を学ぶという場であって、それをステップに新しいステージへ進まれている方が多いですね。

-入会したいときはどのような手続きがいるのですか
佐々木さん 「掃除がやりたい」とおっしゃっていただければ、誰でもいつでも参加できます。

-トイレ掃除では学校を回られますが、保護者としてそういう現場を体験して入会する方とかいらっしゃるんじゃないでしょうか
佐々木さん 今日出席したメンバーの大下さんは、5,6年前の白岳中学校のトイレ掃除に保護者として参加し、「私もやらせてください」といって入会された方の一人です。
基本的には、(掃除の会の活動が)好きな者だけの会ですから、強制ではありませんし、ムリをしない、参加できるメンバー数の範囲でやらせていただくというスタンスです。

-いきなり生徒を指導するのは難しそうですが。
佐々木さん 生徒たちに指導できるようになるまでは、ベテランのリーダーについて、教え方を学ぶ形を取っています。体験をし、人に伝えられるようになれば、リーダーとして活躍していただくことになります。

-始められた頃と今の学校側の反応は違っていますか。shiratakejuniorhighschool
佐々木さん 広島の掃除に学ぶ会などの活動は古く、以前からその活動内容と意義については、どの学校にも情報として伝わっていて、その上での我々の活動なので、そんなに違いはありませんし、抵抗無く活動に参加していただいています。
この活動は、学校の理解がなければ成り立たないので、とてもありがたいと思っています。

-活動のペースは
佐々木さん 月に1回のペースで学校からオファーを受けて開催したり、オファーのない月などは、広公園や中央公園、堺川公園なども清掃しています。
常連で毎年のように依頼を受ける学校が多いですね。

-今の会員数は
佐々木さん 40人ぐらいでしょうか。職業もバラバラです。ただ、こういう活動をされていらっしゃる方々って、意識が高い方々ですから、他の社会参加活動にも引っ張られて忙しい方が多い。その中で都合の合う方が参加してくれています。
みんな趣味の世界で、こういった活動を通して充実した人生を送ろうという人ばかりですから。気楽にやっています。

-掃除を通して子どもたちに学んで欲しいことは何でしょうか。siratakejuniorhighschool
佐々木さん 礼節や規律といった部分について、子どもたちを育てる上であまり重視されなくなってきていることに、不安を感じています。
靴をキレイに並べるかどうかということは、効率だけを考えるとどっちでも変わらない。自分が「気持ちがいい」と、他人も「気持ちがいい」、そういうことと、効率の良さとの区別ができていないと思う。世の中が損得だけの価値観で決まっていく、すべてがそれでよいとは思っていません。
柔道や剣道の世界でも、礼に始まり礼に終わる、それが日本人としての心ではないでしょうか。その最初と最後が無くなっていくことに少し違和感を憶えています。
教科書では学べない、自分自身の体験を通してしか学べないものがこの活動にはあると思っています。
子どもたちを良い方向のベクトルに導いていく、それは先頭に立って活動している私たちがそういう部分を担っていければいいなと思っています。トイレ掃除はイヤだけど、掃除してみると気持ちがいい、そういう気づきにつながっていくとうれしいですね。

-今日の白岳中学校は自主的に84人も参加しているそうですね。shitratake juniorhighschool
佐々木さん 自分の時間を割いてこの活動のために集まってくれています。みんなの為にという気持ちを子どもたちはちゃんと持っていますから、それをちゃんと形にし、活かしてあげることが我々の役目ではないかと思います。

-大人の社会の仕組みを教わることなく大人になっていく子どもたちが多いような気がしますが。
佐々木さん 勉強も大事、塾も大事、クラブも大事だけれども、それにプラスαとして人間として基礎になる部分を鍛える、それはみんなが楽しく生きていくために必要な術やルールなので、それを学んでほしいですね。

昔は良い悪いは別として、丁稚奉公というシステムがあって、無償で店のために働いた時代がありました。そこでは、社会に出るための基礎を身につけることができました。掃除、雑用などをしながら基礎となる能力を丁稚の期間にきっちりと身につけて社会に出て行く。子どもたちが中学校を出るまで(義務教育を終えるまで)には、社会に出るために必要な規律や礼節を身につけて欲しいという願いがあります。

-今日の活動に同行してみて、生徒たちの気持ちの変化や反応が瞬時に分かる活動だなという気がしたのですが
佐々木さん 掃除はやったらやっただけ、すぐに効果が目に見える形で現れるものですよね。結果が目に見えやすいというのは、子どもたちにとってはうれしいことではないかと思います。

本日は朝早くからお疲れさまでした。

編集後記
トイレ掃除の後、振り返りとして班ごとに発表が行われました。
その体験発表では、
「トイレを掃除することは自分の心を掃除すること」最初はこの意味が分からなかったけれど、掃除を終えた後の達成感が、心を洗ってくれたような気持ちになった。
という風に感想を述べる生徒もいれば、
(キレイになったトイレに水を流したら)「あぁぁ水が喜んでいる」そういう感想を漏らした生徒もいたというエピソードを披露してくれました。
子どもたちが変わったのではなく、子どもたちを育む環境が変わってしまったのでしょうか。そうではなく、私たちの身の回りにはまだまだ、大人になるために必要なものを身につけるための教材がたくさん残されていることに気づかされた1日でした。(K)


2012年11月26日(月)紹介
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